<Q&A 新宿子育て情報局のお母さん方と>
Q1:長いあいだ子どもたちを見てきて、気になるところなどありますか?
A 最初からノリノリではないけれど、歌と踊りと演奏をしていって徐々に声を出させていって、という参加型のイベントをずっとやってきたんだよね。
赤ちゃんを持つ子育て中のお母さんはライブやコンサートに行く時間がないのでお母さんにも楽しんでもらいたいと思って親子でリズムあそびコンサート(2歳未満)を始めたの、このときの赤ちゃんの目が凄いんだよ。
みんな、じーっとこっちを見つめてるのね、キラキラした好奇心いっぱいの目で。
この年齢はまだカムジー先生もゴリラも分からないと思うよ。
この物体はなんだろう? 怪しいけど楽しそうだな~ そばに行こうかな~
でもこわいな~ でも行ってみようかな~ この真剣な目が大事。
これから大きくなっていっても、この目を大切に。
自分で見て、迷って、悩んで、考えて、判断して、決断する目。この目が大事、経験が大事。
こっちが近道、こっちが安全、親の気持ちも分かるけど自分で考えるトレーニングをさせないでどんどん先にレールをひいちゃうと決断する力が育まれないで社会に出ることになる。出たたときに苦労すると思うよ。
最近の小学生、特に6年生は目の光が薄いんだよね。
一番楽しい時期だと思うのに、あんなに沈んだ目をしちゃってさ、もっともっと『楽しい』に包まれていてほしいよね、
いま10代の事件が多いでしょ、早い子は小学校に入る前から心が苦しそうにしているよ。
小さいときから発散させてないから、いろんなことがたまっちゃって心が重いんじゃないかな、笑顔が不足しているよ。
合ってる、間違ってる、出来る、出来ないだけで褒めていると子どもの心がどんどん細くなっちゃうよ、細い心は折れやすいよ。
結果だけを褒めるのではなく心を開いてくれていることを褒めて小さな自信を
少しずつ付けてあげれば引っ込み思案にならないよ。
Q2:子どもがキラキラした目でいるために、親がしてあげられることは?
A 子どもは模倣の名人!子どもがキラキラ瞳になるのは簡単だよ、パパ、ママ、
先生、大人が笑顔で、キラキラ瞳で、子どもと接すればいいんだよ!
直ぐに瞳がキラキラ輝きだすよ。 子ども達の目がキラキラ輝かないのは、大人の方に原因があると思うよ。
今を生きることを楽しむ力、心を閉じない力を『楽力』って言っているのだけど
『楽しい』ことが大事だね。あと『夢中』になること『考える』こと。
そして思いきり笑ったり泣いたり、重い感情はためないでまめに出す。
心を大きな船に例えると…どんなに高性能なエンジン積んでたって、水は必ず入ってくるんだから常に排水していかないと動きは鈍くなるし、沈んじゃう可能性だってある。沈んじゃったら引き上げるのは命がけだよ。
子どもの心が沈みかけて、そのときに気がついたんじゃ大変でしょ。
親は子どもに高性能なエンジン『学力』を付けることばかりに目がいくでしょう、大切なことだし分からないではないけど、排水する力『楽力』も、とても必要だと思うよ。沈んじゃったら大変だよ!
その為にはちっちゃい時に親子のコミュニケーションをしっかりとっておくといいよ。
子どもと手をつないで散歩するのもいいね。
車や自転車に乗らないで時間の余裕をもって子どものペースで歩いたら、
子どもが何に興味を持つかが良くわかるよ。
うちに帰ってきたら、いじめられたでも、いじめちゃったでも、フラれたでも、
何でも話せる空気、心を閉じない空気を築いておくのが大事だよね。
空気ってとても大事だよ、固い空気は心を固くするよ、反対に優しい空気は心を柔らかく包むよ、家庭の空気はとても大事だよ。
Q3:先生のいいお話を聞いても、気がつくと子どもを怒ってしまうんですよね。
A 少し見方を変えるだけでそんなに怒らなくてすむと思うよ、『楽しい』をいつも心に浮かべているだけで随分違うと思うよ。
歯磨きを嫌がるんなら「むしば退治、むしば退治♪カモ~ン♪」ってリズムを付けてみたら?歯磨きも楽しくなっちゅうよ。
「早く起きなさい」「歯を磨きなさい」「ご飯を食べなさい」って、ぜんぶ命令形になると空気が固くなるでしょ。
親が「生まれてきてくれてありがとう」「楽しいは素晴しいよ」っていうのを
子どもの心に笑顔で伝えてあげるといいよ。
なかなか寝ないなら「早く寝ると楽しいよ、楽しい夢をいっぱいみられるから」って、まずは「楽しい」をつけてあげるんだよ。
あと、よく『チャントしなさい』って言うけど、この『チャント』と言うことを
口癖で使うでしょ?
いま日本の子ども達は、否定語とチャントシャワーで心がずぶ濡れだよ。
『否定語』は言われている方は勿論だけど言っている方の心も寂しくなるよ。
「お名前は?いくつ?」って聞かれて、子どもが小さな声で言うと直ぐ「チャント言いなさい」って言うじゃない。
子どもは小さな声でちゃんと言っているのに 可哀想だよ。
恥ずかしいから声が小さいだけなのにさ、優しい声だねって言ってあげるといいよ、心に自信がつけば大きな声なんてすぐに出るようになるよ、
小さい声だけど『ちゃんと』一生懸命言っているのに『チャント』言いなさいって言ったらいっぺんで心を閉ざしちゃうよ。
あとモジモジしていて声が出ない子いるでしょう。
こう言う子にも「チャント言いなさい」と言ったら直ぐに心を閉ざしちゃうよ。
小さな体で一生懸命恥ずかしさと戦っているんだよ、自分の心に頑張れ、頑張れって、必死になっているのに、チャント、チャントって言ったら可哀想だよ、
心閉じちゃうよ。ひっこみ思案になっちゃうよ。
「オー、クネクネダンス上手だぞ、教えてもらおうかな、真似しちゃおうかなあ!」とか、声を掛けてあげると良いよ。 あっている、間違っている、出来る、出来ない、結果だけを褒めるのではなく
子どもが心を開いてくれていることをまず褒めてあげる。
モジモジしているのは心を開いている証拠だよ。
心を閉ざしていたらモジモジしないよ。体も瞳も動かさないよ。
心に自信がつけば回りがビックリするくらいに元気いっぱい、笑顔いっぱい、
キラキラ瞳になるよ。本当だよ。
心の包帯は見えにくいから大人が優しい心でよく見ていてあげていないと傷口が広がっちゃうよ。
子どもが心を開いてくれていることを褒めてあげてほしい。
心が開けばすぐに心が躍りだし、心が歌いだすよ、
こころが歌いだしたら、向かって行く自信が生まれるよ!
チャレンジハートに火がつくよ!
ハートが燃え出したらゴーゴー!
止まらないよ!
遊びだって、勉強だって、コミュニケーションだって何だって同じだよ
夢に向かっていくことが楽しくなっちゃうよ!
”楽しい” はとても大事でとても素晴しいことだよ!
でも実際、お母さんは大変だよね、常に時間に追われてるんだから。
だとすれば、どうしても叱らなきゃいけない時とか、ここぞという時だけ
ビシッと言えばいいんじゃないかな。
横断歩道で騒ぐとか、命にかかわることは凄い形相で怒ったほうがいいよ。
Q4:子どもに言うことを聞かせる方法ってありますか?
A まずこの「言うことを聞かせる」と言う命令調が問題だと思うよ(笑)。
聞かせると言うのは頭から頭にでしょう?
心に伝えようと思うと言葉が心からでるよ。
ご飯ならご飯の唄を歌ったりするといいよ、いきなり「ご飯よ!食べなさい!」じゃなくてね。ご飯をみんなで食べると美味しいよって気持ちになると言い方が変わってくると思うよ、
たとえば、簡単なリズムと節をつけて簡単でいいんだよ、上手じゃなくていいんだよ、試験やってんじゃないから、
『ご飯の時間がやってきたぞ~ ニコニコ ニコニコ 集まれ~~~!』とか 。
大人も気が向かない時ってあるでしょ、子どもも同じ。気が向かない時に
いくら言っても無理。言えば言うほど子どもは心を閉じちゃうよ。
20秒でも30秒でもいいから「楽しい」をやった後に、「○○してよ」って言ってみるのも一つだよ。
お母さん方は、一人一人顔が違うように、いろんな子がいるって思ったほうがいいよ。最初から足の速い子もいれば、ちょっとのんびりした子もいるんだから。みんな同じじゃないよ。
みんなと同じようにしようとしておいて「個性的に育って欲しい」なんて言っちゃうんだよね。子どもが戸惑っちゃうよ。
Q5:最後に、子育てを楽しむために、お母さん達へメッセージをお願いします。
A 笑顔をいっぱい見せてあげること。
笑顔が苦手と言うお母さんがいるけど大丈夫だよ、子どもに笑顔をプレゼントしようと思うだけで、子どもの心にメールより早く届くよ。
子どもはママが大好きだからすぐに分かるんだよ、本当だよ。
子どもはママの目を見て話しかけてくるでしょう、その時は必ず子どもの目を見て答えてあげて。
「打てば響く」子どもが太鼓を好きなのは裏切らないから。
叩いたらポンとかえってくるでしょ。だから「打てば響いてあげる」こと。
そうしないと、子どもが大きくなったときに大人と同じことするよ。
一生懸命子どもがママの目を見ながら話し掛けている時にメールを打ちながら
答えていると子どもが中学生、高校生になった時に、
マ マ:「ママ、大事な話をしているのにチャント聞いてるの?」
子ども:(そっぽを向いて携帯をいじりながら)「聞いてるわよぉ~」
必ずこうなるよ、子どもは模倣の名人なんだから!
苦手と嫌いは違うよ、子どもは苦手でも大好きことがいっぱいあるよ。
走ったり、水あそびをしたり、絵を描いたり、太鼓を叩いたり・・・・
することを始めから嫌いな子はほとんどいないと思うよ。
苦手でも大好きな子がたくさんいることを、保護者、保育者、大人の方々は
温かい心で理解してあげてほしい。
せっかく大好きなのにちょっとした一言で嫌いになっちゃったらもったいないよ!
子どもはパパもママも大好きでしょ、その二人が喧嘩してたら子どもの心が悲しくなっちゃうよ。
頭で覚えたことは時が立つと忘れることがあるけど心に残ったことは消え難いよ。
ママはパパの素晴しさを、パパはママの素晴しさを子どもにいっぱい、いっぱい話してあげるといいよ。 ニコニコして聞いてくれるよ。
子どもはパパもママも大好きなんだから。
いま子どもに笑顔をいっぱいプレゼントしてあげれば、子どもが大きくなった時にパパとママに素敵な笑顔をいっぱいプレゼントしてくれるよ。
ほんとだよ! 子どもは模倣の名人なんだから!!
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