リズム遊びで早起き元気脳
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生活リズムと脳とこころ
コーナー1

今回の 実践を行った、約3ヶ月間の期間を経て、園児の生活 には大きな変化がみられました。
以下は、実践前と実践後に行った「生活リズムとこころの調査」のうち、生活リズムに関するアンケートの結果です。

なお、集計の際には記入の際には記名 式とし、前後2回の調査いずれにも 回答された方のデータのみを使用 しました。集計後は一切個人名を取り出して使用することは ありません。
また、以下のデータは、実施2保育園のデータを合わせたものであり、また回答には未記入のものがあったため、総数が集計ごとに異なることをご了承ください。

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起床時刻の変化
園児の起床時刻の前後変化についての結果です(約3ヶ月間の実践をはさんで)。
全体として平日、休日共に実践前に比べ大きく起床時刻が早まっています。
保護者が各家庭で園児の早起きに働きかけたことがわかります。
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グラフ1
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就寝時刻の変化
園児の就寝時刻の前後変化についての結果です。
こちらもやはり全体として平日、休日共に実践前に比べ大きく早まっており、特に平日の22時以降の就寝が大きく減少しています。
保護者が各家庭で園児の早寝に働きかけたことがわかります。
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就寝時刻の変化
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テレビ視聴時間の変化
園児のテレビ視聴時間の前後変化についての結果です。
やはり平日に比べ休日は長時間視聴する園児が多く、5時間以上視聴する児もいます。
しかし全体として、実践後では実践前に比べて、視聴時間の短縮傾向が見られました。 ここでも、各家庭での生活習慣改善に向けた努力の結果が認められました。
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テレビ視聴時間の変化
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遊び時間の変化
園児の遊び時間の前後変化についての結果です。
予測されるとおり、平日に比較して休日は遊び時間は長時間の傾向がありました。
そして今回、実践の前後では遊び時間が全体として平日、休日共に短縮の傾向が見られました。これは、必ずしも好ましい結果とは言えませんが、やはり各家庭の生活習慣改善への努力に伴う変化と考えられます。
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遊び時間の変化
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夕食時刻の変化
園児の夕食時刻の前後変化についての結果です。
今回の実践の前後では夕食時刻が全体として平日、休日共に大きく早まる傾向が見られました。家族ぐるみで生活リズム改善のための努力が行われたことが考えられます。
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有食時刻の変化
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朝食摂取についての変化

下に示すように、実践前後において、起床から朝食までの時間は若干短縮傾向がみられ、また朝食を食べないこともある、との答えの割合は減少しました。

ここまでの結果から、今回の実践において、各家庭ではテレビ視聴時間や遊び時間を短縮し、出来るだけ早めに夕食を済ませて就寝を早め、起床時刻を早める努力を行っ たことがわかりました。保護者一人一人の意識が 高まったからこその結果だと考えられ、大変素晴らしいことだと思われます。

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朝食の変化
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まとめ

 私の外来にたくさんの不登校の子ども達が来ます。多くは「起立性調節障害」、つまり自律神経失調症という診断名がつきます。朝登校しようとすると、頭痛や吐き気、腹痛などといった不定愁訴と呼ばれる症状が出現して学校に行けなくなるのです。これは、「古い脳」の視床下部にある自律神経のコントロールタワーの故障なのですが、実はその故障の原因こそが、自律神経と密接なつながりを持つセロトニン神経をはじめとするモノアミン神経系の不具合、つまりストレスや不安をうまく前頭葉につないで解消できないことによるこころの不具合によるものだと考えられているのです。この神経系の不具合を防ぐためには、ずばり「早起き」「早寝」「きちんとご飯」「リズム運動」といった正しい生活リズムが最も大事なのですが、今回の実践はこれら思春期の問題を予防するためのヒントを数多く与えてくれました。

 そして第二に明らかになった点、それはリズム遊びを通して生活リズムを変えるだけで、乳幼児の脳機能は変わりうるということです。今回、園児たちの自律神経機能は「イキイキ、そしてリラックス」パターンに長期効果として変化していきました。発達期に自律神経機能をきちんと育てておけば、将来思春期になったときにも、少しくらいのストレスや不安に打ち勝って、自律神経の不具合なんか起こさない健全で強いこころを持つことができる可能性が高いと考えられます。

 また、リズム遊びをしているとき、子ども達の前頭葉の働きも活発になっていることもわかりました。大脳皮質にある前頭葉は、人間の脳の中でも、最も高度な機能を司る部分です。この部分に幼児期にたくさん刺激を与えて活性化を促すことは、認知、短期記憶、論理思考、空間認知を初めとする様々な機能をより良く発達させることにとても有益であると考えられます。
 それだけではなく、前頭葉は「人間らしい心」の源でもあります。安心したり喜んだり、自制心を持ったり人を好きになったりする「こころ」も司っているのです。脳とこころが健全に育つために、どのようなことが必要なのか、今回の結果から明白に私たちは知ることができたのではないでしょうか。

さらに第三の点として、保護者の方々にご協力いただいたアンケート結果に大事なメッセージが含まれていました。保護者の方々のこころが実践後に「育児への不安が少なく」「ご自身が感じる不安も低く」「抑うつ感も低く」変化していました。

 実はこれが、セロトニン神経系がうまく働くための大事なポイントなのです。不安のない脳ではセロトニンが大量に作られるので、さらに不安なくいつも楽しい気分でいられるようにどんどん良い効果を生みます。保育園では楽しいリズム遊びをして子ども達がたくさん笑って体を動かし、家庭では早く寝付いて早起きをすると回りの大人も楽しくなります。大人が楽しく笑っていればもちろん子ども達は楽しくなります。どちらが先かはわかりませんが、このような結果が出たことはとても重要なことだと思います。
●リンク→セロトニン神経系について

 子どもの生活リズムを整え、脳の働きに関する正しい知識を皆で共有すること、そして保護者ももちろん指導者も子どもの前でいつも笑って楽しい気分でいること、子どももいつも楽しく笑っていること、それだけで脳とこころが正しく育ってくれるのであれば、実に簡単なことに思えます。

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